私のヒーロー
小学低学年の頃の想い出です。
クラスに吉田(仮名)という男の子がいました。
ラーメン屋の息子です。
チビで、いつもチョロチョロしている奴。
私とは、家が近所でした。
この吉田、休み時間、学校帰りに私をいじめるのです。
父に、男の子にいじめられるから学校に行きたくない。と
話すと、父は『お前のことが好きなんだろう。いじめられて
泣くと面白がるから、泣くな。』と。
父のアドバイス通り泣くのを我慢したら、吉田の奴!
『泣けよ!』と、私が泣くまでいじめを続けた。
私は、吉田に捕まらないよう帰りの挨拶の後
急いで学校を出ていました。
吉田も負けずに追いかけて来ます。
大通りを歩いている時は、後ろからストーカーのように
後を着けて来て、路地に入るといじめが始まります。
私のランドセルを後ろから両手で掴んで振り回すのです。
私は、ランドセルごと体を振り回されます。
スカートをめくって来て、蹴飛ばすのです。
私が『止めてよ!』と言うと嬉しそうにエスカレートする。
アホちゃうか!(`・ω・´)シャキーン
通りすがりの小父さん、小母さんに叱られると
その時だけ止める。姑息な奴やの~!
好きな女の子を泣かせて、何が楽しいんじゃ!
男ってほんまにアホやの~(`・ω・´)シャキーン
ある日、休み時間に、いつものように吉田にいじめられていたら
クラスの男の子山田くん(仮名)が、吉田の腕をつかんで
落着いた声で『止めろ。』と言った。
吉田は、ビビッて逃げ出した。
山田くんに『ありがとう。』と言うと、彼は黙って行ってしまった。
それから、私は山田くんに着いて歩くようになった。
私は、もう吉田にいじめられることもなくなった。
公園で遊んでいると、山田くんが子猫を抱えて茂みの中へ
入って行くのをみかけた。
私も後を着いて行った。
山田くんは、ダンボールの箱に子猫を入れた。
『その子猫どうするの?』と私が聞くと
『うちで面倒看たかったんだけど、母ちゃんが、うちには
猫がたくさんいるから、もう連れて来るなって言った。
ここで、俺が面倒看るんだ。誰にも言うなよ。二人の秘密だぞ。』
と言った。
その日から、給食の残りを二人で子猫の所へ運んだ。
子猫の世話をしながら、山田くんと色々な話をした。
山田くんには、お父さんがいないこと、歳の離れたお姉さんが
いること、お母さんが内職で洋服の直しをしていること。
山田くんの家にも遊びに行った。
いつも縁側から出入りしていて、縁側に私が座っていると
缶ジュースを持って来てくれた。
ある日、二人で子猫を見に行くと子猫がいない。
山田くんと私は、近くを探したけどみつからなかった。
山田くんは『チェッ、仕方ないな。誰かが連れて行ったかも。』と。
私が『戻って来るかもよ。』と言うと、
『自分から出たんじゃない。誰かが連れて行ったんだ。』と
諦めた。
その後、私は、父の仕事の都合で転校しました。
その後の山田くんは、友達の話だと、中学生で非行に走り、
今では組関係者になられたそうです。
一匹狼って感じの男の子でした。
顔に、猫に引っ掛れた傷があって、色黒で、体型も小柄で。
声がかすれ声だったな。
私のヒーロー、親分でした。
ふっと思い出して…
それにしても、吉田め!(`・ω・´)シャキーン
昔は、こんな男の子ばかりでしたね。
好きな女の子をいじめるってど~いうこっちゃねん!
恥ずかしいにも程があるやろう!
ほんま男ってわからんの~。
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